『おかしな男 渥美清 (新潮文庫)』
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ISBN:4101158398
出会いは、1961年の夏。四角い顔に細い目のその男は、33歳。NHKのドラマで全国区の人気者になる寸前。僕は28歳で、小説を書き始めていた。〈芸〉への強い興味だけでつながっているような、奇妙な関係。底知れぬ凄みを示したかと思えば、なんともいえないおかしみも持っていた彼はやがて、〈寅さん〉となった――。虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝。